スカッシュ エバンジェリストこと、わたくし成田 治樹が今回お伝えしたいのは
【初めて大会に出る人向け】プレイヤーとしての「マナー」や「心得」とは?
です。
以前、以下の過去エントリーでも
「自分のコンフォートゾーン (vs いつもの相手 @ホームコート) を抜け出し、大会に出る (vs 知らない相手 @いつもと違うコート) ことで成長する」
旨の上達法をお伝えしました。
また、直近のエントリーでも「初めて大会に出る」という方向けに、
マーカーの役割・仕方を "超実践的に" にお伝えしました。
ただ「初めて大会に出る」という方向けに、
そもそもプレイヤーとしての「マナー」や「心得」をお伝えしていないことに気付きましたので、
今回はそこに焦点を絞ってご紹介したいと思います。
もし初めての大会出場を控えている方がいらっしゃいましたら、是非参考にしてみてください!
試合中のマナー
1. ノックアップは3~4球打って、相手に返す
「ノックアップ」とは、試合前のウォーミングアップでお互い打ち合う事ですが、
大体自分で「3~4球程度打ってから、相手に返す」のがマナーです。
たまに自分で5~6球打ってしまう人を見かけますが、ちょっとそれは自分で打ち過ぎですね。
ノックアップの時間には限りが有りますので、しっかり相手が打てる時間も確保する事がマナーです。
(ノックアップ時間 : 3ゲームスマッチだと計3分 : 1.5分フォア+1.5分バック)
逆に1~2球で返してしまうと、相手もリズムを掴みづらくなってしまいますので、
やはり3~4球で相手に返すのが適切です。
2. 過度なガッツポーズは控える
スカッシュはイギリスにルーツを持つ、紳士淑女のスポーツです。
そういった意味で、試合中の過度なガッツポーズは控えましょう。
特にやってはまずいのが、「相手のミスでガッツポーズする事」です。
自分のショットで得点が取れた場合の (適度な) ガッツポーズはまだ良いですが、
相手のミスでガッツポーズする事は、対戦相手への敬意を欠いている行為とみなされる恐れが有ります。
(そういった際は、心の中でガッツポーズしましょう)
日本代表の大活躍によって現在「ラグビーW杯」が非常に盛り上がっていますが、
実はラグビーも同じくイギリスにルーツを持つスポーツで、こちらも
「対戦相手に対して敬意を持って接する」
というのが、非常によく体現されています。
試合に出ると凄く緊張しますし、熱くなって我を忘れてしまうという方もいらっしゃるかもしれませんが、
常にスカッシュというスポーツの「ルーツ」と「精神」を意識する事が重要です。
3. 審判への過度なアピールは控える
対戦相手のみならず、審判への敬意というのも忘れてはなりません。
もちろんスカッシュにおける「ストローク」・「レット」の判定は、
野球における「ボール」・「ストライク」、サッカーにおける「ファール」・「ノーファール」の判定のように非常に微妙なケースが有る為、
思わず審判に対して「その判定は無いでしょ~」と言いたい時が有りますが、
(実際に言ってしまう事も多々有りますが笑)
なるべくそういった際も、"スカッシュを嗜む紳士淑女" としてスマートな対応を心掛けたいものです。
実際に審判への過度な (or 威圧的な) アピールは、大会会場における最も見苦しい光景の一つです。
試合中の心得
さて、試合中のマナーは一通り把握できたところで、
実際に「試合に勝つために意識すべき心得」をいくつかご紹介したいと思います。
尚、初めて試合に出る方を対象としていますので、グレードは「新人クラス」を想定しています。
1. サーブに気を配る
1つ目は、意外と意識していない人が多いサーブに関してですが、
個人的には「新人クラス」においては、サーブは非常に重要だと思っています。
何故なら
大抵の新人クラス参加者は、サーブレシーブがまだ上手ではない
からです。
つまり「最初のサーブで、そのラリーの主導権を握れる可能性が非常に高い」という事です。
では、具体的にどのように気を配れば良いのか?という事ですが、
個人的には、新人クラスにおいては以下の点を意識すればOKだと思っています。
「横の壁に最初に当てる」
どういう事かと言うと、例えば右側 (Right Side) からサーブを打つ際は、
以下のように横の壁に最初に当てる事を意識するという事です。
(めっちゃ自分が写り込んでますが、気にしないでください笑)
この「ひと手間」を加えるだけで、サーブレシーブの難易度が上がり、
より甘いボールが来やすくなります。
逆にやってはいけないサーブが、横の壁に当たらず、直接ボレーされてしまうサーブです。
これはさすがに新人クラスでも容易に返せてしまうケースが多いです。
2. 後ろまで長いボールを打つ
さて、新人クラスのラリーにおいて最も大事なのが
「しっかり後ろまで長いボールを打つ」
という事です。
具体的には
「バックウォールまでワンバウンドで届くようなボール」
をしっかり打つ事です。
(*理想はツーバウンドでバックウォールに届くボールですが、非常に難しいのでまずははワンバウンド)
何故なら
大抵の新人クラス参加者は、バックウォールから跳ね返ってきたボールの処理がまだ上手ではない (特にバックハンド)
からです。
つまりバックウォールまで届くくらい、長くて深いボールを打ち続ける事で
ラリーを優位に展開する事が出来ます。
ただし、ノーバウンドでバックウォールに届くようなボールは容易に処理できてしまうので気を付けましょう。
3. 甘い球は決めにいく
さて1番・2番と実行できた際は、新人クラスにおいては甘いボールが来る可能性が高くなりますが、
仮に甘いボールが来たら、その際は積極的に「ドロップ」や「ボースト」等で決めにいきましょう。
(この際のボーストは、2点ボースト = アタッキング or ワーキングボースト)
尚、ここで言っている「甘いボール」とは、
「自分が相手よりも前にいる状態で、T付近に来たボール」
です。
ただボレードロップを決めるのは新人クラスでは難しいので、
ボレーは後ろまで流し、あくまでワンバウンドでのドロップやボーストを狙いにいきます。
たまに、ひたすら後ろまで打ち込む新人クラスの方がいますが、
しっかり長短交えたショットを覚え、使いこなしていくことが上達に繋がっていきます。
その他の心得
試合の前倒し進行に備える
さて大会に出場する上での「その他 心得」ですが、これ結構大事です。
というのも、「試合進行が早まるケースが多いから」です。
大会本部が想定した1試合当たりの時間よりも各試合が早く終わったり、
また多いのが、出場者の「棄権 (デフォ : DEF)」により試合がスキップとなり、
進行が早まるというケースです。
そもそも受付やウォーミングアップの時間を顧みて、
試合時間よりも前に余裕を持って大会会場に行く事が必要ですが、
更に、この「試合進行が早まる可能性」も念頭に置いて行動する事が重要になります。
最後に
さて、いかがでしたしょうか?
大会に出場するためには参加費を数千円払う事が必要ですし、
大会会場が遠かったりすると、結構往復の交通費の出費が痛かったりします。
また大会に出場し、仮に試合に勝てると、
そこから次の試合までの待ち時間が非常に長くなる時も有ります。
そういった状況が有りつつも、せっかく大会に出場するわけですから、
自分の試合の勝ち負け以外に、
・上位グレード (選手権・フレンドシップ) の試合を観戦して勉強する
・対戦相手と積極的に情報交換をし、気が合えばスカッシュ仲間となる
といった事も、大会に出場する上での「心得」として持っておくと、
より有意義に大会を楽しめるかもしれません。
NRT