スカッシュ エバンジェリストこと、わたくし成田 治樹が今回お伝えしたいのは
「スカッシュ」と「壁打ちテニス」の違いを決定付ける、たった1つの動き方
です。
これはあくまで個人的な解釈ですが、
よくスカッシュコートの中で「壁打ちテニス」をしている初心者の方々を見かけます。
これはどういう事かと言うと、以下の図のように左右に打つ人が分かれ、
右から左へ、左から右へ、それぞれ相手がいる方向に跳ね返るように打ち合う事を指しています。
もちろん、これを全く否定するつもりはなく、間違いなく楽しみ方の1つだと認識しています。
ただ、自分がストアカ上で展開している「スカッシュレッスン (未経験・初心者用)」 では「スカッシュ」の楽しみ方を提供したいと考えていて、
そのために "ある1つの動き方" を、レッスンの最初にルール説明と併せてお伝えし、それからレッスン中 (口酸っぱく笑) 繰り返し指導するようにしています。
「今日は皆さんに習慣付けてもらいます」
と、毎回宣言しているほどです。
ルールではありませんが、個人的にはこの動き方が
「スカッシュ」と「壁打ちテニス」の違いを決定付けると思っています。
「スカッシュをする上で、大原則となる動き方」
ですので、それを今回皆さんにご紹介したいと思います!
スカッシュレッスン (未経験・初心者向け)
スカッシュレッスン (初級者向け)
その動きとは?
結論から言うと、それは
「Tに戻る」
という動きで、
「T」とは、以下の絵の赤線で囲っているエリアになります。
「打ったら、必ず ”T” に戻る」
これこそがスカッシュの大原則と言える動きで、スカッシュにおける全ての基本と言えます。
どの場所で打とうが、頑張って「T」に戻ることが必要です。
ちなみに、レッスン時にこれを紹介する時に必ず頭に浮かぶのが「TT兄弟」ですが、
レッスンのかなり序盤に紹介するので、ド頭から激スベリするのが怖く、
1回も「そう、TT兄弟の "T" ですね!」と言ったことは有りません・・・
なぜ「Tに戻る」必要が有るのか?
では、なぜ打った後に必ず「Tに戻る」必要が有るのでしょうか?
それはシンプルに
「Tにいることが最も有利」
だからです。
先程の絵をご覧頂ければ分かりますが、「T」はコートの真ん中に位置しており、
そこにポジショニングできると、どの方向のボールにも対応しやすくなります。
スカッシュというスポーツは、すごく簡単に言うと
「陣取り合戦」ならぬ「T取り合戦」です。
つまり「Tを制した者がゲームを制する」世界なのです。
これもよくレッスン中に言っている事ですが、
オセロは「4隅」を制すると、かなり有利にゲームを進められますが、
スカッシュにおける「T」とは、
まさにオセロにおける「4隅」のようなものです。
言うは易く、行うは難し
とはいっても、この「Tに戻る」動きは、初心者の方にとって
「言うは易く、行うは難し」
といった感じです。
「さっき教わったばかりのスイング方法を実践して、しっかりボールを捉えるだけで精一杯なのに、”その後すぐに「T」に戻れ” だなんて到底無理」
という心の声が、レッスン中はよく聞こえます笑
心の声だけでなく、
「意識はしているけど、「T」に戻れない・・・泣」
というリアルな声も、よくレッスン中に聞こえてきます。
では、なぜ初心者の方は、
(仮に)意識していても「Tに戻れない」のでしょうか?
それは、初心者の方はどうしても打つボールが
「Tに寄ってきてしまう」
傾向が有るからです。
スカッシュは、相手を「T」から動かし、そして自分が「T」を取る必要が有りますが、
そのためには、自分が打つショットは「T」を避けなければいけません。
ただ、最初のうちはどうしてもボールを捉えるタイミングが早かったり、体が開いたり、横振りになったりして、ボールが「T」に寄ってきてしまいます。
そうすると、相手がボールを「T」で処理することになりますので、
自分が「T」を取る機会を逸する事になります。
これはスカッシュの上達の過程で避けては通れない道で、誰もが経験する事です。
- まずは「T」を避けるショットを心掛ける
- そして自分が「T」を取る
本気で上達しようと思うのであれば、
これを意識する事が初心者の方にとっては非常に重要になってきます。
最後に
いかがでしたでしょうか。
めちゃくちゃ「T」って言いましたね、今回笑
「T」にまつわる (マニアックな) スカッシュ業界用語で言えば、
「人工衛星」
というものが有ります。
これは「T」の周りをぐるぐる周っている状態を指し、具体的には
レベルの高い人が「T」を占拠し、
レベルの低い人がその周りをぐるぐる回って、ボールを必死に追いかけている状態を指します。
自分より強い人とプレイする場合には、必ずと言っていいほど、この「人工衛星」状態を経験します。
自分も数え切れないくらい経験してきました笑
ただ上達の過程では避けては通れない道ですので、
いつか自分が「地球」になれる日を夢見て、積極果敢な姿勢で「人工衛星」を楽しんでいきましょう!
NRT